· 

抽象作家はアスリートのように

青木愛弓展に寄せて

《風に吹かれて》青木愛弓 キャンバスにアクリル絵具、楮紙、鉛筆、クレヨン 91×72.7cm

 

 

 

 フジギャラリー新宿の原田でございます。

 ギャラリーでは、3月19日(金)まで、「青木愛弓展」を開催中です。是非ご覧ください。

 

青木愛弓 展

2021年3月13(土)3月19日(金)

開廊:午前11時〜午後7時(会期中無休)

作家在廊:19日(金)

 

 

青木愛弓 / Ayumi Aoki

1982年 東京都出身

2007年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業

2009年 東京藝術大学大学院美術研究科壁画第二研究分野修了

 

 <個展>

2016年「巡る景色」(ぎゃるりじん / 神奈川)

2015年「浮島」(焙煎DISCO 茶蔵 / 東京)

2010年「モーメント」 (土屋現代美術画廊 / 大阪)

2009年「Neo Landscape」 (土屋現代美術画廊 / 大阪)

 

 <グループ展>

2019年「Dessin‐モノクロームの表現」(gallery邨 / 東京)

    「group exhibition」 (土屋現代美術画廊 / 大阪)

2017年「3人展」(gallery邨 / 東京)

    「長はるこ&東京藝大女子会展」(B-gallery / 東京)

2016年「池袋アートギャザリング」 ( 東京芸術劇場 / 東京)

     「バレンタイン現代美術展2016」(B-gallery / 東京)

2015年「private garden 青木愛弓× 伊藤久美子 二人展」

    (ぎゃるりじん×GALERIE Chiyo’ s / 神奈川) 

2012年「全国アート物産展」 (そごう柏店 / 千葉)

2011年「9人の視点展」 (土屋現代美術画廊 / 大阪)

2010年「遠い過去からの風を感じるが如く」

      (ガゾルド デッリ イッポリーティ近現代美術館 / マントヴァ  イタリア)

他多数

 

◆抽象作家はアスリートのように

◆精神を統一し、渾身の一本

◆無から生み出す苦しみ

◆抽象作家はアスリートのように

今回、もっとも大きな作品として青木が出してくれたのが、この「春に舞う」です。

 

《春に舞う》青木愛弓 キャンバスにアクリル絵具、楮紙、紙、鉛筆、クレヨン 116.7×91cm

 

 

どうですか、この季節にぴったりな、どこをとっても美しいグリーン。複雑な色の構成。まるで天気の良い春の日に、美しい新緑を下から見上げるような、爽やかさです。

 

もっとも大きなこの作品が作品制作の順番でいえば、最後になったそうなのですが、青木はこの作品の完成について「あ、黄色が要る、と思って、黄色を足し始めた時から、完成までのことを覚えていないんです。気がついたら完成していた」と言います。

 

アスリートでいう「ゾーン」でしょうか。

 

しかし、彼女の話を聴くにつれ、抽象作家は、アスリートに限りなく近い職業であると思うようになりました。

 

 

◆精神を統一し、渾身の一本

青木の作品はコラージュ。キャンバスに様々な素材を配置し、さらにそれに絵の具やクレヨンを足していくという手法なのです。その素材もすべて手作り。

青木の作品は、「サンカク」が重要な役割を果たします。

 

紙に色を「塗った」サンカク、サンカクを「切り抜いて」作った素材。色を変えて、大きさを変えて、素材を変えて、作った材料を配置し、色を重ね、最後に黒のクレヨンで締めます。失敗できない最後の一本。呼吸と精神を整え、一気にかきあげます。

本人は「書道に似ている」と言いますが、書道は白い紙に書きます。

彼女の場合は作品の最後の「失敗できない1本」ですから、陸上の短距離選手のスタートに近いように感じます。

 

 

《はなし》青木愛弓 コラージュ、キャンバス 27.3×22cm

 

 

《水辺の記憶-am7:00①》青木愛弓 キャンバスにアクリル絵具、水彩絵 具、楮紙、紙、鉛筆 53×45.5cm

 

 

◆無から生み出す苦しみ

モチーフやモデルがある作品は、それを写しとることから始まります。

しかし、抽象は完全な「無」から、自分に出せる表現を絞り出す、大変な作業です。不安に押しつぶされそうになるときもある。そんなときは、家族が、友人が、そしてギャラリーが、応援を送ります。さらに、一人でも多くのファンができたら、どれほど彼女の力になるでしょう。

 

そんな思いが集まった作品が、18点集まりました。

 

本当に、素晴らしい作品群なので、ぜひご覧になっていただきたいと思っています。

 

 

《水辺の記憶-pm5:00》青木愛弓 キャンバスにアクリル絵具、楮紙、紙、染料、鉛筆、クレヨン 65.2×53cm

 

一生のお宝と、ぜひ出逢いにきてください。

 

※会期中は予約なしでご来場いただけます。

※新型コロナウィルスの感染予防に配慮し、レセプションパーティは行いません。

※ご来場に関してのお願い

・マスクの着用と、入場前に手のアルコール消毒のご協力をお願い申し上げます。

・発熱や咳等の症状があるお客様はご来廊をご遠慮くださいますようお願いいたします。

 

展覧会開廊日と時間について

・今後の状況により営業時間の変更や、やむを得ず休廊となる場合がございます。

・最新情報は随時ウェブサイトにてお知らせいたしますので、ご来場前にご確認をお願い致します。

 

 

 

フジギャラリー新宿では、お客様のアート選びをサポートいたします。

お気軽にinfo@fuji-gs.jpまでお問い合わせください。